
近年『ニューオンプレミス』があらためて注目されている理由は、クラウド一辺倒だったIT戦略の見直しが世界的に進んでいるためである。
注目される背景から具体的な理由までリサーチし、以下にまとめました。
▮ ニューオンプレミスとは
従来のオンプレミスと区別するために使われる概念で「クラウドの利点を取り込んだオンプレミス」がニューオンプレミスです。
| 項目 | 従来オンプレミス | ニューオンプレミス |
|---|---|---|
| 設置場所 | 自社データセンター | 自社/専用DC/コロケーション |
| 運用 | 自社運用が中心 | 自動化・マネージド前提 |
| 技術 | 物理サーバ中心 | 仮想化・コンテナ・Kubernetes |
| 連携 | 単独利用 | クラウドと密接に連携(ハイブリッド) |
▮ 注目される理由
1. クラウドコスト問題・・・最大の理由
クラウドの「想定外コスト」
- 従量課金による月額費用の肥大化
- データ転送料(Egress)の高額化
- 常時稼働システムではオンプレより高くなるケース
特に以下の企業で問題化
- ECサイト
- SaaS事業者
- データ分析・AI基盤
24時間稼働の基幹系システム
一定規模以上ではニューオンプレの方がTCOが低い
2. データ主権・法規制の強化
日本・世界共通の動き
- 個人情報保護法(日本)
- GDPR(EU)
- 各国のデータ越境規制
企業の課題
- データの保存場所が不明確
- 海外クラウド事業者依存への不安
- 監査・証跡対応の複雑化
「自社が完全に管理できる環境」が再評価
3. クラウド障害リスクの顕在化
近年増加している問題
- 大手クラウドのリージョン障害
- サービス全体が止まる「広域障害」
- 障害時の責任の所在が不明確
クラウドは「止まらない」ではなく「止まったら自社では何もできない」
ニューオンプレミスでは
- 障害範囲を自社で限定できる
- クラウド障害の影響を受けない
4. 技術進化でオンプレミスの弱点が解消
以前のオンプレミスの弱点
- 初期構築が重い
- 運用が属人化
- 拡張が困難
現在(ニューオンプレミス)
- インフラ(サーバー、ネットワークなど)の構築・管理をコードで自動化する手法
IaC:Infrastructure as Code(Terraform, Ansible) - 開発・運用に必要なCI/CD、セキュリティ、Web UI、監視ツールなどを統合し、企業がコンテナアプリを構築・運用製品群
Kubernetes / OpenShift - サーバー、ストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェアを一体化した仮想化基盤
HCI(Nutanix, vSAN) 自動スケール・自動復旧
「クラウドと同等の運用体験」を実現可能
5. AI・大規模データ処理との相性
AI時代特有の事情
- GPU常時稼働 → クラウドは非常に高額
- 大量データの外部転送が非現実的
- モデル・学習データの機密性
GPUオンプレミス+必要時のみクラウドという構成が増加
6. ベンダーロックイン回避
クラウド依存が進むと
- 特定クラウド専用設計になる
- 移行コストが極端に高くなる
- 価格改定に従うしかない
ニューオンプレミス+マルチクラウド構成では
- 選択肢を常に保持
- 交渉力を維持
- 技術的自由度が高い
▮ 向いている企業・システム
• 基幹業務システム
• 常時稼働システム
• 大量データ処理
• AI/機械学習基盤
• 規制・監査が厳しい業界(金融・医療・公共)
▮ 関連情報
● 新たな選択肢「ニューオンプレミス」は検討に値するか – ITmedia エンタープライズ
● オンプレミスとは?クラウドのコストを理解するためのポイントも解説 – ガートナージャパン



















